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【2-1】国保連レポート

第1回レセプト情報分析による生活習慣病対策推進事業学習会

   去る令和6年6月21日、レセプト情報分析による生活習慣病対策推進事業学習会(第1回)が石川県地場産業振興センターで開催された。
   本学習会は、国保保険者が生活習慣病の発症・重症化予防に取り組むことで医療費の適正化を図るため、データ分析から事業評価に至るPDCAサイクルに沿った効果的な事業実施を推進し、保健事業に携わる専門職の力量形成を支援することを目的に実施している。
   参加対象は、国保保健事業担当者で、当日は市町国保から保健師、管理栄養士等の専門職を中心に49名が参集し、令和5年度に策定したデータヘルス計画の実施に向けた学習を行った。
   本学習会の直前に出された『経済財政運営と改革の基本方針2024(原案)』には、予防・健康づくりの推進として第3期データヘルス計画(R6~R11年度)が位置づけられている。また、新経済・財政再生計画改革工程表(2023)には、年間新規透析患者数や糖尿病有病者増加の抑制や糖尿病医療費の地域差減少などが挙げられている。令和6年3月には、これらの国の方針を具体的に実践するための糖尿病性腎症重症化予防プログラムが改定された。このプログラムには、保険者がデータヘルス計画を踏まえて主体的に事業を展開することが明記されているほか、糖尿病のみでなく、腎機能低下のリスクとなる高血圧や尿蛋白にも着目した対象者の抽出基準や評価指標が例示されている。
   県内の国保保険者の第3期データヘルス計画においても多くの保険者が健康課題として糖尿病重症化予防を挙げていることから、学習会では、情勢とこれらの内容を踏まえた上で、保険者が、重症化予防事業を効果的効率的に進めるために、集団のデータから被保険者一人ひとりの改善にどう向かうか、各市町の実践事例を共有しながら学習を深めた。コロナ禍では難しかった、顔をつき合わせるグループワーク形式での学習会により、お互いの取組を質問したり、笑い声が飛び交うなど、情報交換や学びの深まる貴重な時間となった。
   令和6年度は、昨年度に引き続き年3回の学習会を予定しており、各保険者のデータヘルス計画に基づいた保健事業の実践のプロセスを支援していくこととしている。


令和6年度石川県在宅保健活動者連絡協議会総会及び研修会

   令和6年6月26日(水)、石川県女性センターにおいて石川県在宅保健活動者連絡協議会総会及び研修会が会員47名中11名出席のもと開催された。
   開会にあたり川坂会長から被災された方々へのお見舞いと、気持ちを切り替えて前を向いてもらえるよう虹の会として支えていきたいとあいさつがあり、続いて事務局の国保連合会小嶋事務局長が、設立以来長きにわたり、川坂会長をはじめ多くの会員の活動に感謝の言葉が贈られた。さらに特定健診未受診者対策での、会員による電話勧奨が受診率の向上につながっていることや、高齢者いきいき推進事業での、行政では行き届かないきめ細やかな活動の継続、今年度新規事業の重複多剤投与者通知事業など更なる活躍への期待と、今後も事務局として虹の会への支援に取り組むと述べた。
   総会では令和5年度の事業実施状況と収支内訳、令和6年度の事業計画と収支内訳、役員改選、繰越金(切手)の用途について協議し承認された。
   研修会では、令和5年度高齢者いきいき推進事業を実施した3グループの活動報告が行われた。教室を実施していく中で、介護につながったケースから地域に根付いた活動の大切さを学び、地域での教室は交流の場となり参加者の健康増進につながっていること、支援する側も人生の先輩である参加者から学ぶことが多いなど貴重な報告がなされた。
   また、都道府県在宅保健師等会全国連絡会(令和6年2月)で川坂会長が事例発表した資料をもとに虹の会の活動を振り返り、出席した会員は、虹の会の活動の大切さを再認識した。
   懐かしい思い出に笑顔がこぼれる会員と、多種の活動を20年以上継続していることに尊敬の念を抱く新会員が、それぞれ自己紹介と活動の中での感想や近況などを述べ、今後のブロック毎での活動なども踏まえ交流を深めた。
   午後からの研修会では、川坂会長がファシリテーターとなり、震災の経験を共有し今後の対策や支援を考えることを目的に話し合いを行った。
   被災者でありながら、医療職として行政を支え、避難者の健康を第一に、日々の課題に向き合い解決し続けたことや、高齢者の多い避難所での困難や衛生面の確保の難しさなどの生の声から、医療職としてどう対応していくかを学ぶ機会となった。また、普段から在宅看護師などへの意識がけを行うことが、有事で協力を得ることにつながり支援が手厚くなるなど対策も語られた。辛い経験や苦しい心の内に、胸が締め付けられる場面も見受けられたが、語り合うことで気持ちの整理のきっかけになった等、各々に得ることがあった話し合いとなった。
   最後に川坂会長が復興に向け、それぞれの環境で今できることを行い、虹の会としての支援にも取り組みたいと述べ、被災された方々の健康を願い研修会は終了した。
石川県在宅保健活動者連絡協議会総会及び研修会 会場風景



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