令和6年度 第4回保健指導研修会
令和6年12月18日、第4回保健指導研修会(全5回)が石川県地場産業振興センターで開催された。本研修会は石川県の健康課題である糖尿病等の生活習慣病の発症・重症化予防を効果的・効率的に実施するため、被保険者の状況に応じた保健指導を学ぶことを目的として開催している。対象者は市町の保健指導従事者と医療機関での保健指導従事者で、63名が出席した。講師に保健活動を考える自主的研究会の管理栄養士 橋詰 美穂子氏を迎え、「メタボリックシンドローム」「糖尿病」の解決のために、健診データと食生活を結びつけ、対象者自らが選択できる保健指導を学習した。
まず肥満症は「医学的に減量が必要な疾患であること」(肥満症診療ガイドライン2022)を押さえた。肥満による「屈めず、足の爪を切れない」「動悸がする」など生活の困難は、肥満度が増すにつれ増えていく。私達保健指導従事者が肥満症の方の生活の困難をも理解し保健指導を行うことの大切さを学んだ。
また、住民の食事や運動、仕事(動き方等)の結果が健診結果そのものであるが、年齢、身長、体重、仕事や生活リズム、遺伝要素や治療している疾患など千差万別であり、その一人ひとりの状態に合わせてバランス食(体にある60兆個の細胞が良い状態で働いてくれるために必要なもの)を考える時、基本になるのが『日本人の食事摂取基準』である。これに様々な生活習慣病の治療ガイドラインを加えると10通りも基準があることから、これらを網羅した個々の健診データと病気に合わせて、食品の特徴で分けた『4つの食品群』を用いた資料で、基準量を考える方法を学んだ。
事例を通して、「野菜炒め」「ベジファースト」等と聞くと野菜を摂っていると思いがちであるが、健診データと結び付けながら具体的に野菜の種類や量を教えてもらうことの重要性など、具体的な保健指導の留意点を学んだ。
参加者からは今日の学びを保健指導に活かしたいとの感想が多く聞かれた。
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