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【1-2】石川県国保連合会

国保制度改善強化全国大会 - 宣言及び決議 -

- 宣言 -

   国民健康保険は制度創設以来、我が国の国民皆保険体制の中核を担い、地域医療の確保や地域住民の健康の維持増進に貢献してきた。しかしながら、中高年齢者が多く加入し医療費が増加する一方、被保険者の所得水準が低く、保険料(税)の負担率が高いという構造的な問題を抱えている。このため、市町村においては被保険者にこれ以上負担を求めることは極めて困難であり、厳しい財政運営を強いられている。
   このような中、昨年四月に新たな国保制度が施行され、国保運営の在り方の見直しと財政支援の拡充による国保の財政基盤強化が図られたが、国保制度を持続可能なものとするため、今後も国は制度運営について、責任を持って最大限の努力をしていく必要がある。
   我々国保関係者は、引き続き国保の安定的な運営に最善を尽くしていく所存であるが、急速な高齢化等による医療費の更なる増加は必至であり、困難な状況が続くと想定される。このため、国保制度の更なる改善強化に向け、国に対して以下を強く求めるものである。
   今般の国保制度改革が実効あるものとなるよう、毎年三千四百億円の公費投入を確実に実施するなど財政支援を拡充し、財政基盤の強化を図るべきである。
   政府において普通調整交付金の配分方法等を見直す検討を行う方針が示されているが、同交付金が担う自治体間における所得調整機能は極めて重要であり、今後もその機能を維持し、見直しを行うべきではない。
   全国の自治体が強く要望している子どもの医療費助成等の地方単独事業実施に係る国庫負担減額措置は、子どもの対象年齢に関わらず直ちに廃止するとともに、子どもに係る均等割保険料(税)を軽減する支援制度を創設すべきである。
   保険者機能の発揮に向けて、保険者努力支援制度をはじめとした保険者インセンティブが有効に活用されるよう、努力した全ての保険者が評価される仕組みとするとともに、財政支援をはじめ必要な措置を講じるべきである。
   健康寿命の延伸に向けた地方自治体等の国民の生涯にわたる健康づくりの取組や高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施を推進するため、KDBシステム等を活用した保健事業への支援を更に充実させるべきである。
   地域包括ケアシステムの構築に向けて、医師をはじめとした医療・介護人材の確保、地域偏在の解消のため、必要な措置を講じるとともに、地域医療構想の推進に当たっては、全国一律の基準により拙速な議論を行うのではなく、公立・公的医療機関の果たす役割を十分踏まえて地域医療の確保に努め、併せて十分な支援策を講じるべきである。
   オンライン資格確認システム等を確実かつ円滑に構築するため、国の責任において財政支援を行うとともに、十分な準備期間を設けるなど必要な措置を講じるべきである。
   以上の実現に向けて、我々国保関係者は、ここに「国保制度改善強化全国大会」を開催し、組織の総意を結集して、本大会において決議し、断固邁進することを誓うものである。

   右 宣言する。
   

- 決議 -

   本日ここに、全国の国民健康保険関係者が一堂に会し、国民健康保険が直面する諸問題の改善を期して、国保制度改善強化全国大会を開催し、慎重審議した結果、次のとおり満場一致これを採択した。
   国は、国民健康保険制度の現状を踏まえ、次の事項を必ず実現されるよう本大会の総意をもって強く要望する。
一、 医療保険制度の一本化を早期に実現すること。
一、 国保の財政基盤強化のための公費投入の拡充を行うこと。
一、 普通調整交付金が担う自治体間における所得調整機能は、今後もその機能を維持し、見直しを行わないこと。
一、 子どもの医療費助成等の地方単独事業に係る国庫負担減額調整措置の全廃及び子どもに係る均等割保険料(税)の軽減制度の創設を行うこと。
一、 保険者努力支援制度等の保険者インセンティブが有効に活用されるよう、財政支援をはじめとした必要な措置を講じること。
一、 健康寿命の延伸に向けた地方自治体等の健康づくりの取組を推進するため、KDBシステム等を活用した保健事業への支援を更に充実させること。
一、 医師をはじめとした医療・介護人材の確保、地域偏在の解消のため、必要な措置を講じるとともに、地域医療構想の推進に当たっては、公立・公的医療機関の果たす役割を十分踏まえて地域医療の確保に努め、併せて十分な支援策を講じること。
一、 オンライン資格確認システム等の構築に向け、国の責任において財政支援をはじめ必要な措置を講じること。
一、 国民健康保険組合の健全な運営を確保すること。
   右 決議する。
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