前のページへ

【2-2】国保連レポート

重症化予防のためのKDB活用に関する研修会   ~要介護状態に至った事例分析~

   9月10日(火)に石川県女性センターにおいて、石川県ヘルスアップ支援事業の一環として、大牟田市保健所長矢野周作氏(元国保中央会常勤参与)を講師に「重症化予防のためのKDB活用に関する研修会~介護状態に至った事例分析~」を開催し、県内保険者や県介護担当者など50名の参加があった。
   始めに連合会職員により、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施等国の動向について説明があり、その中でのKDBを活用した健診・医療・介護データの一体的な分析の重要性、具体的なKDBシステムの機能などについて紹介が行われた。

   その後、矢野氏から、県内の20事例について、介護に至った事例分析の結果について解説が行われた。矢野氏は、KDBの5年履歴から、介護に至った被保険者の情報をA3サイズ1枚に入れ込み、被保険者の主病名や生活習慣病の副傷病名、治療開始月や入院の状況、またそれらによる診療行為と健診結果を関係付けてみることができる「医療介護評価表」を作成、これを基に1事例ずつ解説された。
   矢野氏は、解説の中で「介護は病気でつくられる」ことを強調され、脳卒中や認知症はもちろんのこと、骨・関節といった疾患であっても、糖尿病や動脈硬化等が大きく影響することを強調された。KDBでは経年で被保険者の状況を読み取ることができるため、介護予防に向けて、KDBから傷病名や服薬、検査内容などを確認し、保健指導に生かすことが有用であるとの説明であった。
   研修会参加者は、それぞれの事例の読み取りと解説に真剣な面持ちで聞き入っていた。
< 1|2 >
次のページへ